
(1)消費税を廃止し物品税を導入
消費税という税制は、貧困層にほど重くのしかかる逆進性を持っていると言われています。収入の少ない家庭では、収入の殆どを消費に費やしますが、収入の多い家庭では、収入を消費だけではなく、貯蓄や投資に回す余裕があるからです。
私達の生活を支える社会保障の財源として、国民すべてが互いに支え合うような税制にしなければなりません。
公明党などは、生活必需品に対する軽減税率の導入を主張し、逆進性の解決を主張しています。それもひとつの解決策ではありますが、日本若者党は、かつて日本で導入されていた「物品税」の復活を主張します。
物品税とは、食料品や衣類など、生活必需品に対する課税は行わない代わりに、高級車などの贅沢品に対しては高い税率を課す税制です。この税制のもとでは、消費税のような逆進性は発生せず、富裕層ほど負担が重く、貧困層ほど負担の軽い税制が実現します。
かつて我が国でも導入されていましたが、税率を調整する際の線引きが困難である、などの指摘から廃止され、消費税が導入されました。しかし、消費税の逆進性を解決しようとすれば、線引きの問題は避けては通れないものです。線引きの難しさを理由に、物品税の導入に反対する議論は、全く的を射ていません。
(2)年金制度改革――賦課方式から積立方式への移行
現行の年金制度は、「賦課方式」を採用しています。賦課方式とは、各年ごとに年金給付に必要な財源を調達するシステムのことを言います。つまり、現役世代の納めた保険料を、そのまま現在の年金受給に充てる、ということです。少子高齢化の進む現在、このようなシステムを維持していれば、現役世代の負担は重くなるばかりです。特に若者の中には、年金受給者よりも貧しい若者はたくさんいます。いまのシステムは、若者が自分より豊かな祖父母に仕送りをしているようなものです。さらに、今いくら頑張って保険料を納めても、自分は将来年金を受け取れるかわからない。このような状況の中、年金の支払いを拒否する若者が増えているのもごく当たり前の話です。
日本若者党は、年金制度を改革し、賦課方式から積立方式へと移行することを主張します。積立方式とは、現役世代のうちに自分の支払った保険料を積立て、老後に利息とともに受け取る制度です。かつて日本では、積立方式が採用されていましたが、世代間扶養の名目で賦課方式へと切り替えられました。しかし、もはや現役世代の負担によって弱者である高齢者の生活を支える、という構図が必ずしも成り立たないことは明白です。積立方式のもとでは、自分が積み立てた年金は必ず自分が受け取ることができます。この制度ならば、若者も安心して保険料を納めることができるでしょう。
(3)結婚資金貸与制度の創設
いま、経済的な事情から、結婚しない・できない若者が増えています。日本若者党は、結婚を希望する若者に対する財政的支援を拡充するべきだと考えます。
具体的には、第二次大戦前のドイツにおいて、ヒトラー政権下で実施された「結婚資金貸与法」を参考に、結婚を希望する若者に対し無利子で結婚し金を貸し付け、子供を一人生むごとに25%ずつ返済が免除されてゆくような給付金制度を創設するべきです。
(4)給付制奨学金の拡充
奨学金依存度の高まりを受け「無利子奨学金の補完」として創設された有利子奨学金は、導入当初5%程度の割合であったものが、現在では75%と、とても補完とよべる規模ではなくなってきています。いま、学業のために奨学金を借りたはずが、奨学金の返済のためバイトに追われ、とても学業に専念できる状態でない学生の存在が問題になっています。もはや「教育ローン」化した奨学金制度を見直し、原則無利子へと転換すべきです。
(5)大学の学費値下げ
OECD(経済開発協力機構)加盟国34カ国中17カ国では、大学の学費を無償化しています。私立大学の場合、奨学金の返済額は学部卒で300万円、大学院博士課程終了で1000万円にのぼり、奨学金返済のために自己破綻へ追い込まれる学生さえいます。また、経済的な理由から大学を途中退学する学生も、年間1万人にのぼるとされています。日本若者党は、私立大学の学費を原則無償化し、経済的な問題を一切気にせず高等教育を受けられる国を目指すべきと考えます。
(6)子供選挙権制度の導入
少子高齢化の中で、若い有権者が減り、高齢者の意見ばかりが政治に反映される状況があります。これをシルバー民主主義と呼びますが、将来の日本を担う若い有権者の意見が尊重されないというのは、民主主義国家として不健全な状態であると言わざるをえません。日本若者党は、未成年の子を持つ親に対し2票分の投票権を与え、若い世代の意見が政治に反映される「子供選挙権」制度の創設を目指します。
参考文献
「ヒトラーの経済政策」武田知弘著、祥伝社新書
「若者を殺すのは誰か」城繁幸著、扶桑社新書