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労働者派遣法改悪案とは

 

 

(1)概要

政府はこのほど、現在は原則最長3年までとなっている派遣労働者の受け入れ期間の制限を撤廃する労働者派遣法改正件案を閣議決定した。施行は2015年9月1日を予定している。現在、派遣労働者の受け入れ期間は、通訳など専門性の高い26種類の業務では 制限がなく、そのほかの一般業務では原則1年、延長しても3年が上限となっている。改正案では、専門業務と一般業務の区分を廃止し、事実上、期間制限を撤廃。具体的には、企業の同じ部署における派遣労働者の受け入れ期間を最長3年とし、労働者を入れ替える か部署を移動すれば、何年でも受け入れることができるようになる。 (http://news.mynavi.jp/news/2015/03/16/071/ より引用)

 

(2)歴史

1986年7月1日 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(略称:労働者派遣法)として施行。労働者派遣事業の保護は当時13業種。それ以降も派遣業種が拡大される

1999 年 12 月 1 日 ポジティブリストからネガティブリストへ…原則として規制がない中で、例外として禁止するものを列挙した表の列記

2004 年 3 月 1 日 物品製造業務の規制緩和。港湾運送、建設、警備、医療以外ほとんどの分野で規制緩和される

2006 年 3 月 1 日 派遣受入期間の延長がなされる

 

(3)問題点

改悪案では、派遣労働者の受け入れ期間の制限を撤廃し、同じ業務に派遣を使い続けられるようになります。期間制限を事実上なくし、常用雇用の代替を認めるものとなっているのです。一見、「解雇の心配が無い」「雇用の安定化」等と油断する者もいます。しかし これ以上ない危険な改悪法なのです。

労働者派遣法の改悪は、これまでも何度も改悪されてきました。その結果、正社員の賃下げや長時間労働など労働条件悪化をさせました。日本の労働者の平均賃金は、1997年では年収が70万円も減りましたが、この時期、派遣法など労働法制の規制緩和が繰り返されました。低賃金で不安定な非正規雇用を増やしたことが、労働者全体の賃金を引き下げるとともに、異常な長時間労働などの労働条件の悪化をもたらしました。

派遣労働者は派遣先会社との関係では労働契約が存在しません。そのため企業側にとっては労働派遣者に対し賞与や退職金を与えることも無く、解雇規制も存在しない中で簡単に首切りをすることが出来るため、まるで道具のように利用されることになります。

 

※この文章は、若者党とともに労働法制改悪に反対するネット政党「日本民友党」から寄稿していただきました。

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